世界中からビートを集めて、新しいジャンルを作るーMURAKAMIGOインタビュー
もっと攻めてかないかん
俺は一時期、ひと月に30本以上DJをしていたこともあるんです。一晩でダブルヘッダー、トリプルヘッダーとか普通にやってて。東京、大阪、名古屋だけじゃなくて、北海道から福岡まで飛び回ってました。それは東京のSUGARBITZという事務所に所属してからですね。
営業とかお店との交渉とかを事務所が全部やってくれるから、自分は音楽だけに集中できる。MURAKAMIGOをディレクションして売り出そうと思ってくれてる人がいるのは本当にデカいですよ。「フロアのネ申」っていうのも、たぶんSUGARBITZが宣伝文句として使ったのが最初じゃないかな。俺からしたらハードル高いですけどね、DJで滑ったら「神じゃねえじゃん」って話ですもん。(笑)
でも「一人だと速く行ける、チームだとより遠くに行ける」って言うでしょ。本当にそう。いいDJはいっぱいいる中で、全国各地でプレイできて、メジャーからミックスCDもリリースできて、韓国のフェスにも出られるのは、絶対に自分一人の力じゃないですよ。
DJだけで食っていくのは、経済的にも精神的にも楽なことではないです。俺もgreatest hitsで働いたり、少し前までは機材屋さんのOTAI RECORDで雇ってもらいながらDJをしていました。最近は、昼間の仕事とDJがすごくいい影響を与えあって、どちらもやりがいがあってすごく充実していたんです。でも、また「安定してくると不安になる」っていう自分の性格が出てきちゃったんですね。いま48歳で、ああ楽しい、忙しいって思いながら、成長しないでこのまま50歳になっちゃうのかな?って。ここでもう一回、DJにガツっと向き合って突き詰めてみよう、東京へ拠点を移そうと思ったのはそのためです。
今、東京はオリンピックを控えて新しいクラブがどんどんできてる。2月にオープンしたSEL OCTAGONもその一つ。オープン直後に偶然東京にいる時があって、試しにやってみる?って言われてやってみたら、平日なのにすごく盛り上がって。東京のシーンとかOCTAGONのカラーを意識したプレイじゃなくて、いつも通り自分の好きなようにDJしたのがめちゃくちゃ喜ばれた。今ではほぼ毎週末レギュラーでやってます。それが東京で勝負してみるかっていう自信につながったというのはありますね。
若い頃は東京との間に圧倒的な差を感じて、負けねえぞって気持ちが原動力になってたんだけど、今の名古屋には本当に独特のシーンがあって、いいDJも多いですよね。人口の割に個性的なDJが多いと思う。
名古屋のお客さんは一度心を開いて盛り上がると、突き抜ける沸点の高さがあるんですよ。でも、そこにたどり着くまでが難しい。SUGARBITZの社長も言ってるけど、名古屋の第一線でやってるDJは全国どこでも通用しますよ。シャイなお客さんの気持ちをこじ開けて持っていくっていう環境に揉まれてるから。
東京のお客さんは遊び慣れた人も多くて、すごく盛り上がってくれるんだけど、そこに甘えてたらダメだよね。もっと工夫できるし、攻めてかなかんなって思う。地方から東京に出てきて勝負している人たちのハングリーさ、アンテナの張り方の広さはすごいですからね。
もちろん東京に行くのは自分のためなんだけど、これからは別の形で名古屋の後輩にもメッセージとか、刺激を与えられる存在になれたらいいなと思っています。
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