2018-09-27

楽しいことばっかり
ーコバレレコーヒー コバさんインタビュー

心地よく居られる暮らしを求めて

ウクレレを持つコバさん

コバ:服屋を辞めたのは27歳くらい。1年くらいプラプラしてたら、知り合いから内装屋の床貼りの手伝いを頼まれてね。そしたら、もともとものを作るのが好きだったこともあって、これ面白い、やってみたいなと思っちゃったの。
それで、28ぐらいでゼネコンの下請けの下請けみたいなことをやってる小さな会社に入って働いて。5、6年してから一人親方っていうか、独立したの。それからもう、ずーっと床を貼る仕事を。7年くらい前までやってましたよ。

一人だし、技術職なんでけっこうお金は良くてね。楽しくやってたんだけど、やっぱり忙しいと休めないとか、今日中に仕上げないと終われないとかも少なくなくて、心身のバランスが崩れてきた感じがして。ふと、十年後自分が何やってんのかな?と思ったとき、床の仕事を続けているイメージがわかなくなっちゃって。

そんな時、知り合いの店で今で言うマルシェっていうか。手作り市みたいなのをやるからそこでコーヒーを出してみない?って言われたんだよね。

もともと僕、自分でコーヒーを淹れて飲むの好きだったから。サイフォンで淹れてみたりしてね。それでちょっとやってみようって、一杯100円とかで出してたら、面白くなって。今度は豆を焼いてみたいと思いだして(笑)、最初はくるくる手で回すような小さな焙煎器で。そしたら、その豆を売ってっていうお店が出てきて。
もともと豆の卸をやってみたいと考えてたの。喫茶店じゃなくて。コーヒー屋もいいんだけど、焙煎をしたいって。

■喫茶店じゃなくて焙煎がしたいっていうのは、なぜ?

コバ:接客とか、お客さんと話すのは好きなんだけど、「待つ仕事」が好きじゃないんですよね。喫茶店てこっちから営業に行くんじゃなくて、基本的にはお客さんがお店に来てくれるのを待つわけじゃないですか。服屋も同じで。やっと来てくれたお客さんを逃したくなくて、売るために無理をするのは辛いなって思ったのもあって。僕は自分から動きたいほうだし。

豆の焙煎を知ってもらうにはどうしたらいいかと考えて、移動販売車を作ったの。イベントに車で行って、会場でコーヒーを出す。で、豆の販売をしてますって宣伝する。今でも移動販売をしているけど、豆の卸を知ってほしいというのが大きいね。その頃は今みたいなマルシェはなかったけど、色んなイベントに行って。COP10(2010年に名古屋で開催された生物多様性に関する国際会議)とか行ったよ。

最初に豆を卸した喫茶店がオーガニックにこだわった店だったの。もともと体にいいものをと思ってたし、うちもオーガニックのコーヒー豆専門にしようと。オーガニックの豆をそろえるのはなかなか大変なんだけどね。

でも、名古屋では喫茶店もやってたのよ。移動販売だけじゃなくて店もあった方がいいのかなあと迷ってた時に、偶然友だちから「空いてる店舗があるから一緒にどう」って誘われて。昭和区の名古屋大学の近くで「昭和宇宙」っていうお店をやってたんです。友だちがカレーを出して、当時付き合ってた今の奥さんに喫茶を手伝ってもらって、僕は焙煎してみたいな。

で、3年半くらい前に子どもができたのね。焙煎やって喫茶もやって、また忙しくて余裕がない生活になっちゃって、これからどうしようかと話していた時。「昭和宇宙」でやりたいことはやりきったし、だったらこれからは田舎でゆったり子育てできるところで暮らそうかって。

美浜のこの建物はもとは和菓子屋さんの工場で、1階が土間で2階が家。上に住んで僕は下で焙煎をして、余裕があれば喫茶店をやってもいいし、店の家賃もかからない。ここ、めちゃくちゃいいじゃんって。大家さんもいい人で、好きにしていいよって言われたから、ホームセンターで材木買って、壁とか自分で塗ったりね。

コバレレコーヒー店内
喫茶も色々やってみながら、来年で3年になるのかな。2人目の子もできたし、週に4日だけ、ドリンク中心のメニューで無理なく営業しています。友だちがランチを作りに来てくれる日とかは、ちょっとイベントみたいにもしてるんですけど。

■お店の名前の由来にもなってる、ウクレレはいつからやってるんですか?

コバ:ちょうど10年くらいになるのかなあ。ウクレレをちょっと弾いてみたら、意外と弾けるなと。で、他の人の演奏を聞いてみると、好きじゃないなとか、下手くそだなって思って。
でも、じゃあ自分はどんだけのことできるんだって。ブツブツダメ出しばかりするオヤジになりたくなかったっていうか。だったら、恥かいてもいいからやってみようかなって。
若い頃はコピーバンドとかやってたけど、DJを始めてからは演奏系は全然。でも、また火がついてね。
本格的にウクレレをやりだして、レーレーズっていうバンドも組みました。それは今もやってるんだけど、メンバーがなかなか忙しくって。

やってみて思ったのは、演奏ってやっぱり気持ちいいなと。DJでもレコードをかけて、お客さんが踊るじゃないですか。やっぱ音楽やって客が盛り上がると、こりゃ快感、みたいなのがあって。

だから、快楽主義なんですよね、僕は。うん、気持ちのいいことがしたいというか。

■はたから見ると、都会のおしゃれなお店で働いて夜はディスコ行って、っていう華やかな感じと、今、美浜でのんびり暮らしている生活っていうのは、すごいかけ離れた感じがするんですけど。

コバ:でも、この生活も面白いからやってるだけなんだよ。畑もやってるんだけど、面白いねえ。夏は暑いからさ、朝5時ぐらいから畑行って田んぼ行って草取りして。黙々と手で草を刈り続けてると瞑想状態みたいになって、ちょっといいですよ。(笑)
そのあと家に戻って子どもを保育所に送って、焙煎やったり、ウクレレ弾いたり。夕方になったらまた迎えに行って、畑行って、夜は早く寝て。だから本当にのんびりしてますね。

確かに若い頃もめちゃくちゃ楽しかったよ。あの頃からの仲間が今も頑張っているのを聞くとすごいなと思うし、velvetsundayのJin君とか、1年に1回くらいパーティに呼んでもらってみんなと話せるのもうれしいよね。

僕はダンスミュージックに関してはそこまでの情熱はなかったんだろうけど、長く、楽しく、好きなことを続けて暮らしたいと思ったら、こういう生活になっているだけ。
お金とのバランスもあるのかなあ。例えば、いい車乗って、家買って、っていう生活もあると思うけど、僕の場合はそこを中心にしてないから。気持ちにストレスのかからない暮らしがいいなと。

≪次ページへ続く≫

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