パーティ文化を広めたい
ーDJ Shigetaインタビュー

“大きなつながり“をめざして

■大学を卒業してすぐに岡崎に来たんですか？

重田：うん。岡崎に来たときは周りに何もなくて。今だとひかりのラウンジ¹⁾　岡崎市にあるクラブ/ライブハウス。https://hikarinolounge.tumblr.com/とかあるけど、当時はなくて、毎週東京に帰ってた。

■土日に遊ぶ場所がないから、東京に。

重田：だから最初は全然こっちに根付いてなかった。距離もあるし、名古屋にも行かなかった。東京にもスタジオがあったから異動させてって頼んで、また東京に５年くらいいたんだけど、会社は愛知が本流なんで、また戻されて。

■それが18年くらい前、30歳くらいの時？

重田：そう。でも今度は名古屋に行ってみようと思って、寮も名古屋で手配して。東京で長谷川賢司くんとか、アレックス²⁾二人とも東京のDJ。青山CAYで日曜の午後に開催する～Sunday Afternoon Session～ “gallery”のレジデントとして知られる。に「名古屋に行くならこの人を訪ねろ」っていう人を教えてもらって。一人は神在（ジンザイ）さん³⁾名古屋のDJ。故人。もう一人はMago⁴⁾名古屋・新栄にあるクラブ。音響の良さに定評があり来日するDJからも絶賛されているの元オーナーのTORUさん。この二人を訪ねて行けと。

■名古屋に来てから、どれくらいでwideloopを始めたんですか？

重田：その頃、JB’ｓの金曜は毎週ハウスをやってたから、毎週そこに行けば誰かしら音楽の好みが合う人と会えて。そこで知り合った北條と一緒に、名古屋に来てわりとすぐにwideloopを始めたと思うよ。

■松井さんも金曜日のJB’ｓの話してましたね。

重田：まだ、今みたいに改装する前のMagoの、洞穴みたいな造りのセカンドルームで始めて。メインフロアはハードハウスかなんかのアッパーなパーティ。1回目は北條と二人で、2回目以降は神ちゃんとkonちゃんも入って。セカンドで1年やって、次の年からメインで金曜日のマンスリーに格上げになって。それからずっとやってたんだよね、毎月一回、7年くらい。

■毎月やるだけでも大変なのに、7年も！

重田：その後は土曜日に隔月でやるようになって。場所を変えながら今もやってるんだけど。
名古屋に来て数年で会社は辞めたんだよね。やりたいこともあったし、もっとパーティに注力したいっていう気持ちもあったからね。

■wideloopは2000年から始めて今年で18年なんですね。wideloopのサイトで歴代のフライヤーを見て気づいたんですけど、ディープハウス中心のパーティなのに、ハウス界隈の人だけがDJしてるわけじゃないですよね。バンドとか、色んな人を呼んでる。重田さんはどんな基準でブッキングしてるんですか。

重田：その場をイメージ出来るか？っていうことと、喜んでもらえるか…。もちろん、自分があの人来てもらったらいいだろうなって思うのはあるけど、仲間が喜んでくれるかっていうのを意識してるかな。

■wideloopをこうしていきたい！とか、wideloopはこうあるべき、っていうコンセプトに基づいて決めているという、というよりも…

重田：やっていく中で、結果としてwideloopらしさが一貫していればいいんじゃないかな。wideloopは「大きなつながりになっていく」っていう意味だから。色々な人と一緒にやりながら、パーティの輪が広がっていけばいいなって。

■音楽的にもっとこうしたい、とかもない？

重田：今まで参加してもらった人たちもそうなんだけど、みんなそれぞれだから。個人主義っていうか、「君は君だし、僕は僕」みたいな考えが自分にはすごくある。DJ同士の個性がぶつかりあいになるかもしれないし、融合するかもしれない。それはやってみなきゃ分かんないじゃん。キャリアとかよりも、ノリや姿勢が重要だと思ってて、ノリが合えば一緒にやる、そういう感じだよね。
だからいいなと思ったら何でもかけるし、呼ぶ人もジャンルレス。バンドに関しては、やっぱり生音に優るものはないし、色んな音楽をみんなで楽しみたいっていうのがあるかな。

■wideloopで色んな人を呼ぶ一方で、重田さん自身も色んなパーティに呼ばれてDJしてますよね。こういう人と一緒にやりたいとか、こういう人は嫌だとか、そういうのってあるんですか。

重田：全然ない。こだわらないし、他ジャンルのパーティでも平気。求められているのはありがたいことだし、その場で自分のやるべきことをやって、みんなが楽しんでもらえたらいいよね。

≪次ページへ続く≫

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